Topazios

仄暗き闇に埋もれ人は深淵の囁きを聴く

scene1
私は家の前で誰かを待っているかのように座っていた。
辺りは薄暗く霧が立ちこめている。
1人のロシア人と思える少年が近づいてきて早口で何かをまくし立てたが、私はまるで聞き取れ無かった。
少し首をかしげ、伝わって無い事を理解すると今度はゆっくりと英語で話しかけてきた
「何を泣いているの?」
その時初めて私は自分が泣いている事に気がついた。

scene2
ふと馬の足音が聞こえて来た。
音のした方を見ると霧の中から漆黒の馬がやってくるのが見える。
そして馬に跨っていたのもまた、漆黒のマントとフードを纏い、顔の見えない宛ら死に神のような風体の人間だった。
何とも言えぬ嫌な雰囲気を感じた。

scene3
その漆黒の影は私と少年の前をゆっくりと通り過ぎた。
得体の知れない緊張感。10Mぐらい過ぎた辺りで馬は歩みを止め、馬上の暗き人間が振り返った。
「やばい!!」
私はとっさにそう感じて少年を連れて家へと急いだ。
私は玄関の扉を開けながら、立っていた守衛になにかを叫んだ。
「○×※▽」人語ではなかった。

scene4
自室に辿り着くと、注意深くカーテンを開けて外の様子を伺った。
薄暗く霧が立ちこめている中、家の周りだけが仄かに明るい。
淡く発光しているかのようだ。
どうやらあのとき私は守衛に結界を張るように言いつけたらしい。
これで少しは時間が稼げる。
あまり猶予はない。
今の内に何か対策を練らねば。

 
 
 
 
 
 
 

ここで目が覚めた。

誰かこれを壮大なファンタジー小説にしてはくれないだろうか。

2012/03/26 21:41